こんにちは、昭和歌謡曲を愛する黒川あさひです。
「一番好きな歌手は誰?」と聞かれたら、間違えなくこう答えます。
「村下孝蔵さん」
しかし悲しいことに、同世代の人たちにはあまり知られていません。
80年代のアイドル歌手黄金期にひっそりと活躍していたシンガーソングライターです。
はいきたー!村下さんきたー!! pic.twitter.com/Y71aepxBNj
— 黒川あさひ (@krkw_asahi) 2017年10月8日
こんなふうに、歌謡曲を紹介する歌番組を観て毎回発狂しております。
ここでは、村下さんの曲(全140曲ほど)の中から個人的に好きな曲をいくつかご紹介したいと思います。
この記事を通して、村下さんの曲に少しでも興味を持っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
かなーり長い記事になりますが、お付き合いいただけると嬉しいです。
目次
「村下孝蔵」を知ったきっかけとハマるまでの経緯
まずは、「村下孝蔵さん」を知ったきっかけを書いてみようと思います。
あれは、12年前の高校三年生の秋。
たまたま、村下さんの代表曲「踊り子」を聴いたのがきっかけでした。
そのときは、ただ「いい曲だなー」と思っていただけでした。
それから約1年後、ふと「そういえば村下さんって他にどんな曲があるんだろう」とネットで検索をしました。
そのときに初めて、村下さんのお顔を拝見しました。
実は、声のイメージから勝手にハンサム(死語)な人を想像していたんですよね。
背が高くてシュッとしていて、イメージは徳永英明さんみたいな。
しかし、検索して出てきたのは、なぜかフライパンではなくギターを持ったグッ〇裕三。
何度見ても、写真の下には「村下孝蔵」と書かれています。
ここでようやく、このグッ〇裕三に瓜二つの男性が村下孝蔵さんだとわかりました。
ショック!というよりは、親しみやすい風貌と温厚な人柄を知り、私はますます村下さんを好きになりました。
ただ、村下さんが1999年に死去されているという事実だけは、なかなか受け入れることができませんでした。
つまりは、これからテレビで拝見することも、コンサートに行くことも叶わないのです。
私はすぐにアルバムを買って、村下さんの「踊り子」以外の曲を聴きました。
どの曲も本当に素晴らしくて「私が求めていた音楽はこれだ!」と確信したのです。
それから10年以上経ちましたが、いまだに私の中で村下さんを超えるシンガーソングライターは現れません。
「村下孝蔵」の曲から個人的にお気に入りの曲ベスト20を紹介
さて、前置きが長くなりましたが、ここからランキング形式で曲を紹介していきます。
生前に作られた約140曲の中から、厳選して20曲を紹介させていただきます。
「有名なあの曲がないじゃん!」と思われる方もいるかもしれませんが、あくまで個人的な好みなのでご了承ください。
【第20位】私一人
私一人
村下 孝蔵
¥250
村下さんが10代のときに作った曲なのだそうです。

タイトルどおり、一人称が「私」。
女性目線の曲なんですが、村下さんの書く女性目線の曲は本当に「なんでこんなに女心がわかるんだ??」と感心させられることが多いです。
男性と別れた女性が、「私は一人でも生きていける」と涙をこらえて前を向く様子が書かれています。
曲調はテンポはいいけどゆったりした感じ。
「ラムネとビーチサンダル」というアルバムには、この曲の別バージョンが収録されており、テンポは変わらないけど軽快なアレンジになっております。
これはこれで雰囲気が変わって好きです。
私一人
村下 孝蔵
¥250
【第19位】夕日と少年
夕日と少年
村下 孝蔵
¥250
村下さんの曲の中で、一番センチメンタルな曲だと思っています。
イントロを聴くだけで、夏の夕暮れの生温かい空気を感じることができます。
テンポがいいので、カラオケでもたまに歌っている曲です(でもうまくは歌えないんだよな…)。
あわせて読みたい
【第18位】稚内から
稚内から
村下 孝蔵
¥250
村下さん渾身のウインターソング(?)。
村下さんは、いろいろな土地をテーマにした曲をいくつか書かれていますが、その中の一つです。
個人的に北海道が好きなので、北海道の曲を見つけたときは嬉しかったです。
稚内には行ったことがないのですが、凍てつくような寒さや海の雄大さがひしひしと伝わってきます。
稚内は、死ぬまでに一度行ってみたいですね!
【第17位】未成年
未成年
村下 孝蔵
¥250
めずらしくロック調な曲。
尾崎豊を意識したのかなと勝手に想像しています(プロデューサーが同じ須藤晃さんなので)。
弾き語りバージョンでは、ギターをジャカジャカかき鳴らしていてかっこいいです!
【第16位】モ・ザ・イ・ク
モ・ザ・イ・ク
村下 孝蔵
¥250
この曲は、メロディーはもちろんですが、特に歌詞がすばらしいんです!
めぐり逢った時は
二人子供のようだったのに
愛をなくした後では
誰も大人のふりをする
~中略~
こわれるものは必ず
音を立てて崩れてゆくのに
言葉ひとつも残さず
どこへ君は消えたのか
すごくないっすか…「めぐり逢ったときには~」なんて、わかりすぎますよね…。
一度でも出会いと別れを経験した人なら共感できるのではないでしょうか?
【第15位】北斗七星
北斗七星
村下 孝蔵
¥250
「赤い屋根の家に住みたい」という出だしから始まるのですが、実は広島にある「赤い屋根」という喫茶店に村下さんが生前よく通っていたそうです。
今ではファンが訪れるお店になっているようです。
死ぬまで一度行ってみたい場所パート2ですね(笑)
タイトルどおり、赤い屋根の家と夜空が情景が浮かびます。
キラキラしているけど、ちょっとせつない曲です。
【第14位】すみれ香水
すみれ香水
村下 孝蔵
¥250
出だしのサックスの音が印象的な曲。
うだるように暑い夏の情景を歌っています。
ひまわり、蝉時雨、浴衣、ラムネといった夏の単語がこれでもかと使われていて、村下さんの曲の中で夏の曲といったら間違いなくこれ!
【第13位】寒椿
寒椿
村下 孝蔵
¥250
Perfumeもビックリのテクノポップ。
「寒椿」というタイトルから、この曲調はまったく想像できないです。
歌詞は悲痛なのに、なぜかマッチしてしまう不思議…この絶妙なバランスがやっぱり天才としか言いようがありません。
村下さんの曲は、いろんな曲調があって飽きないところも魅力ですね。
【第12位】初恋
初恋 (アルバム・ヴァージョン)
村下 孝蔵
¥250
ここできました、村下さん最大のヒット曲「初恋」!
これは聴いたことある人が多いと思います。
歌番組でも取り上げられるのは、9割以上は「初恋」(残りの一割は「踊り子」)です。
この曲はもともと、もう少しテンポが遅かったらしいのですが、最終的にアップテンポにしたところ大ヒット。
さらにレコードのジャケットを切り絵にしたところ、さらに売れたそうです。
最初は村下さんの写真だったのですが、プロデューサーの須藤さんが喫茶店でたまたま村上保さんの切り絵を見て「これだ!」と思い、頼み込んで作ってもらったそうです。
村下さんは知らない間にジャケットが変わっていて困惑したそう(笑)
12位という順位をつけましたが、この曲は何度聴いてもすばらしいし、村下さんの代表曲にふさわしいと思います。
この曲がなかったら、ここまで村下さんが有名になることはなかっただろうし…「初恋」に感謝ですね!
▼最近の須藤さんのインタビュー記事があったので、よかったら読んでみてください
【第11位】ロマンスカー
ロマンスカー
村下 孝蔵
¥250
関東地方の方は、ロマンスカーはなじみがあるのでしょうが、私はあまりピンとこず…。
初めて聞いたときは、何のことかわからず車のことだと思っていました(笑)
村下さんが生前一番気に入っていた曲で、葬儀の出棺のときにこの曲が使われたそうです。
初恋から時間が経ち、なかなかヒットに恵まれない村下さんが再起をかけて作ったのですが、残念ながらあまり売れませんでした。
初恋や踊り子に比べたらマイナーですが、ファンの間では人気があるようです。
【第10位】ねがい
ねがい
村下 孝蔵
¥250
この曲は、途中の間奏で子供の笑い声が入るんですよね。
別にホラーではなくて、プロデューサー須藤さんの娘さんの足をこちょこちょして意図的に笑わせて録音したそうです。
なので、子どもに向けて歌った歌なのかなと思います。
レモンをかじって眉しかめ
くすくす笑った天使のような声
こわれやすい素直な気持ち 無くさないで
子どもが産まれてから、ますます染み渡るこの歌詞。
ブログを書くために歌詞を改めて読み返しましたが、今泣きそうになっています…。
【第9位】群衆
群衆
村下 孝蔵
¥250
めちゃくちゃマイナーで地味な曲ですが…好き!
「群衆の中にいるみんなが何かしら孤独を抱えている」というテーマです。
学生時代(今もですが)、人付き合いが嫌いだった私からしたら、これほど勇気づけられる曲はありません。
みんな足並み揃えて分かち合って生きているように見えるけど、見えないところで孤独を抱えているんだと改めて気付かされる曲です。
【第8位】陽だまり
陽だまり
村下 孝蔵
¥250
アニメ「めぞん一刻」のOPで使われたこの曲。
村下さんは原作の漫画を全巻読んでからこの曲を作ったそうです。歌詞に主人公の心情が的確に表現されていたことに、依頼者側も驚いたというエピソードが残っています。
アニメの効果もあって、ファンの中では人気のある曲です。
村下さんが作る恋愛の曲は悲痛なものが多いのですが、これは真逆です。結
婚式に使うのもいいなと思います。
▼こちらの記事でも紹介しているので、よかったこちらの記事も読んでみてください!
あわせて読みたい
【第7位】午前零時
午前零時
村下 孝蔵
¥250
15位の「北斗七星」と、ちょっと雰囲気が似てる気がします。
初めて聴いたときに、サビの「くらいくらい」が「Cry Cry」だと思っていたんですが、歌詞を見たら「暗い暗い」だったときの衝撃は今でも忘れません。
もちろん、両方にかけているんでしょうが…ここまで英語を使わない歌詞を徹底していることに衝撃。
【第6位】少女
少女
村下 孝蔵
¥250
大学生のときに村下さんのアルバムをはじめて買ったのですが、そのアルバムの中に入っていた一曲。
この曲が気に入って当時ずーっと聴いてました。
ファンの中でもわりと有名で人気な曲の一つです。
草笛、菜の花、夕月、鼻緒、紙風船などの言葉で描かれる日本らしい風景と、アップテンポな曲が見事にマッチしています。
これこそ村下さんにしか歌えない一曲だと思います。
あと、なぜか実写のPVがある唯一の曲だったりします。
【第5位】人生
人生
村下 孝蔵
¥250
このイラストは、前にツイッターとブログ載せたものです。
「迷うことはいつでも進むことだから」というフレーズがたいそう気に入りまして、悩んだときはいつもこの言葉を思い出しています。
シンプルだけど、説得力がありますよね。
最初、「人生なんてどんな曲!?」と思ったのですが、聴いて納得。
さすが村下さん、人生という壮大なテーマでもしっかりとまとまっています。
【第4位】 花ざかりの森
花ざかりの森
村下 孝蔵
¥250
村下孝蔵版「秋桜(さだまさしVer)」だと勝手に思っています。
私はバラードよりもアップテンポの曲が好きなのですが、この曲はバラードで一番好きな曲です。
なので、カラオケ向きではないですね。自宅でしんみりと聴きたい曲。
「花ざかりの森」というタイトルはおそらく、三島由紀夫の小説から取ったのかなと思います。
村下さんは昔の純文学からタイトルを取ることが多いようです。
13位の「寒椿」もそうですし、「砂の女」という曲もあります。
【第3位】踊り子
踊り子
村下 孝蔵
¥250
私の中ではやっぱり踊り子>初恋。
上に書いたように、村下さんを知ったきっかけとなった曲なので思い入れがあります。
この曲は、若い男女の不安定な恋を、狭い舞台で踊る踊り子に例えています。
行きどまりの恋、写真をばらまいたように心が乱れる、表紙の取れた愛、つま先立ちの恋…この比喩表現が踊り子の最大の魅力です。
あと、ギターの弾き語りの面から見ても、初恋よりもこちらのほうが好きです。
村下さんのギターテクニックを堪能できる一曲です。
【第2位】花れん
花れん
村下 孝蔵
¥250
たぶん、2位と3位の間には結構な壁があると思います。
それくらいこの曲は好きです(正直1位と迷ったくらい)。
まず、イントロが鳥肌が立つくらい美しい!
イントロだけだったら間違いなくこの曲が優勝です。
そして、そのイントロに引けを取らないくらいに歌詞が美しい。
教科書に載せていいのでは?レベルです。
もしも 花びらを集めて
青空に心をかいて
遠くのあなたまで そのまま
伝えることができたなら
冒頭からこの歌詞ですよ…よくもこんな発想ができるなあと感心してしまいます。
初めて聴いたときは遠距離恋愛の歌だと思っていたのですが、どうやら死別の歌のようです。
「何もかも捨てて(死んだ)あなたを追いかけていきたい」という気持ちが痛いほど伝わってくる曲です。
【第1位】女優
女優
村下 孝蔵
¥250
第一位は女優です!
残念ながらあまり有名ではありませんが、本当に大好きな曲です。
気合い入れるぞ!ってときに必ず聴きますね。
(国家試験当日の朝に大音量で聴いて、試験会場に向かった思い出(笑))
13位の寒椿と同様、テクノポップな曲。
どこかで「テクノ歌謡」って表現されているのを見て、それだー!と思いました。
寒椿よりもちょっとだけ明るいというかポップな感じがします。
その加減が本当に私好みなんです。何百回聴いているけど全く飽きません。
女優のように高飛車な女性が寒空の中愛する人を待ち続けている姿、それを見守っている主人公がせつない。
「本当に愛したらわかるはず」っていう歌詞がこれまたせつない!
村下さんの書く女性はどっちかというと物静かで美しい女性が多いのですが、この歌に出てくる女性は逆なんですよね。
そこがまたいいなと思います。
買って損はない!「村下孝蔵」のアルバムベスト5
【第5位】同窓會
1999年に歌手生活20周年を記念して発売されたベストアルバム。
惜しくも、発売される前に村下さんは帰らぬ人となってしまい、死去から3か月後に発売となりました。
最期のシングル曲である「ロマンスカー」を筆頭に、初恋や踊り子のヒット以降に書かれた曲が多く収録されています。
ベスト盤とはいえ、有名な曲は少ないかもしれません。
しかし、どの曲も聴きごたえのある曲ばかりです。
有名な曲は一通り聴いた後にぜひおすすめしたいアルバムです。
個人的に「ロマンスカー」の他に「16才」がお気に入りです。
16才
村下 孝蔵
¥250
【第4位】夢の記録
3枚組のアルバム。
有名な曲からマイナーな曲まで幅広く網羅しています。
このアルバムは「赤歌」「青歌」「白歌」の三枚組で構成されていますが、特徴的なのが『白歌』。
なんとアコースティックギター一本で歌っている音源が収録されているのです!
村下さんの弾き語りを聴きたいという人にはまさにおすすめ。
これは本当に感動しました。
ギター一本とは思えない素晴らしい演奏と、歌唱。まさに喉からCD音源ってやつです。
静かなところで聴くと、まるでコンサートで聴いているような気分になり、泣きそうになるくらい感動します。
【第3位】花ざかり
個人的に好きな曲が多く収録されているので、3位に選びました。
一番好きな「女優」が収録されている数少ないアルバムです。
そして、ジャケットも素敵なんですよね。部屋に飾っておきたいくらい。
初心者にはちょっとハードルが高いかもしれませんが、評価も高いので買って損はないと思います。
【第2位】歌人~ソングコレクション~
1984年に発売した村下さん初のベストアルバム。
全12曲ですが、「初恋」「踊り子」「少女」など有名な曲がしっかり網羅されているので、初心者にはぜひおすすめしたいアルバム。
個人的に「花れん」が聴きたくて購入しました。
この1曲のためだけに購入したと言ってもいいくらい。
ちなみに余談ですが、実家からこれのカセットテープが発掘されました。母が当時聴いていたそうです。
私が初めて「踊り子」を聴いたときに初めて聴いた気がしないと思ったのは、母が聴いていたからだったのか…と納得。
【第1位】林檎と檸檬
私が初めて買った村下さんのアルバムがこれです。
CDショップで「買おうかなどうしようかな」とウロウロして、「ええい!買ったる!」と覚悟を決めてレジに向かったのを今でも鮮明に覚えています。
このアルバムのおかげで今があると言っても過言ではありません。
全16曲のベストアルバムというだけあって、第2位の「歌人~ソングコレクション~」とラインナップはほぼ一緒です。
しかし、後期の曲「陽だまり」などが収録されている分、こっちのほうがお得かなと思います。
ただ、「フリーキック」などマイナーな曲も入っているので、そこはちょっと…と思いますが。
でも、全体的に見れば初心者に一番おすすめのアルバムだと思います。
まとめ:気になる人は【Amazon Prime Music】で聴こう!
長くなりましたが、20曲紹介させていただきました。
書いてて思ったのが、

もっといい曲がたくさんあるんじゃ~!
ということ(笑)
また機会があれば、他の曲も紹介したいと思います。
最初にも書いたように、あくまで個人的なランキングなので有名どころが抜けていますし。
長い記事でしたが、読んでくださった方ありがとうございました!
「気になるけど、アルバムを買うのはちょっと…」という方は、 Amazon Prime Music (Amazonプライムミュージック)で村下孝蔵さんのアルバムが20枚も聴けるので、試してみてはいかがでしょうか?
▼20枚のアルバムの詳細はこちらの記事に書きました。
\30日間は無料でお試しできるので、ぜひ登録してみてくださいね!/